トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

Hi-CAPA5.1"Ebony & Ivory"

ゲーム「デビルメイクライ」シリーズに登場する伝説のデビルハンター・ダンテ専用二丁カスタムガン“エボニー&アイボリー”を、個人的趣味でイメージ再現してみた試作カスタム。 ※下記のストーリーは作者の空想です。小説版の設定をベースにはしていますが、CAPCOMの公式設定やグッズと直接関係はありません。

東京マルイ・ガスブローバック ベース

▼STORY(設定)

繁華街の雑居ビル。非常階段に面したお世辞にも入りやすいとはいえない場所に、その店はあった。

今日も薄暗い店内の一角、そこだけ煌々と作業灯が灯っている卓上で、彼女は作業を続けている。
真っ直ぐに仕事に打ち込む厳しい横顔は30代後半くらいに見える。実際には40代半ばだった。

ニール・ゴールドスタイン。

かつては“.45口径の芸術家”と謳われたほどの、銃の世界ではその名を知らぬ者はいないとさえ言われたガンスミス。
だがいつの頃からか、その腕を封印し、この小さな店でもっぱら闇社会に生きる者達が持ち込む銃の修理と調整を手掛けていた。

だが、今その手元で磨きと調整を受けているのは修理品などではない。
実に十数年ぶりだろうか、正真正銘、彼女のカスタム・メーカーとしての作品だった。

一部は外注で加工されて戻ってきたと思われるパーツの数々だったが、その数は2丁分ある。そしてそのどれも、あきらかに規格外の大きさを誇る特殊な銃らしかった。

彼女が今磨いているスライドの片面にはこう彫られている。「FOR TONY REDGRAVE - BY .45 ART WALKS」―WALKSのミススペルは店の看板と同じ。これには彼女なりの思い出もあった。

トニー・レッドグレイヴは、この街の若い「便利屋」だ。便利屋とはいっても、決して平和な仕事だけではない、むしろそのほとんどが銃や武器を扱う危険な仕事だった。

トニーもまた、この筋ではその名の知れた男であり、その実力は誰もが認めている。身の丈ほどもある巨大な長剣と、二丁拳銃を使うことでも知られていた。
まだ十代にも見えるこの若い暴れん坊はいつの頃からか、ニールの店に度々足を運ぶ常連客になっていた。

彼の射撃スタイルは非常に独特だ。
大抵はセミオートマチック拳銃二丁を同時に構え、マシンガン並みの目にもとまらぬ速さで引き金を引く。左右デタラメに撃っているように見えて、不思議なことにその弾は全て狙った相手を正確に射抜くのだった。
だがその射撃スタイルは、持つ銃をも決定的に痛めつける。あまりの速射の激しさに、銃の耐久力が追いつかないのである。

そんなわけで彼は度々壊れた銃を修理の為にニールの店に持ち込んだ。 …それもいつも決まった銃ではなく、毎回違うモデル。仕事でトニーに負かされた哀れな男たちから彼が「戦利品」として巻き上げたものだ。
しかしそれも大抵は一度か二度使ったら、まったく再使用できない程にガタがきてしまう。

店に顔を出すたび憎まれ口を叩き、無茶な修理の依頼を持ち込むトニーだったが、そんな態度をとりながら、彼女が焼き直した銃を手にとって無邪気に喜ぶ姿を、ニールはどこか憎めなかった。無愛想な態度で返しながらも、むしろ彼女なりの愛情を持って見守っていたのだ。

今まさに「彼専用」の対の拳銃として仕上げられているのは、そんな彼女の隠れた愛情の形。二丁の最大の特徴である過剰なほどの強化改造は、長らく彼の修理依頼を手掛けてきたニールだからこそ充分に理解できているカスタム内容だった。

二丁ともスライド・フレームともに原型をとどめないほどに大型化・肉厚化されており、.45口径の激しすぎる連射反動を極限まで抑えるため、フロントにはコンペセイター(反動抑制機)が取り付けられている。これはトニーのためというより、むしろこの銃たち自体への負担を減らすためだ。

さらにフレームは最近出回り始めたハイキャパシティ(多弾装填)型をベースとして、スライドとコンペを一体でカバーするよう延長強化されている。
グリップは革製の特注品を使用し、片手でもしっかり握りこめるフィンガーチャネルタイプ。中央には飾りとして、ニールが長年使い道を探して保管していた二対の肖像画ブローチを埋め込んだ。―それぞれの銃への守護の祈りを込めて。

左右にはそれぞれの特徴もある。

右手専用の白く輝くシルバーの銃「アイボリー」はトニーの得意技・速射を完璧に行い、かつそれに耐えうる強化を施されている。
近接距離での連射が目的のため、照準は単純で頑丈な大型固定式。ハンマーはブロウバックスピードを重視した軽量リング・ハンマー。フレームは強度を保ちながらも少しでもデッドウェイトを減らすため左右側面に凹型溝を設けている。指や握りこみの動きを妨げないようにトリガーガードやグリップセイフティ、サムセイフティは短く切り詰められた。

対する左手専用の漆黒の銃「エボニー」は精密射撃のためにカスタマイズされ、アイボリーの連射を補佐する銃として設計された。
中遠距離でも確実に標的を捉えられるよう、照準は可変調整式サイト。スライド上面には、光の乱反射や熱・陽炎等でサイティングの視界がゆがむのを抑えるトップセレーションが施されている。ハンマーは確実にコッキングできるようスパー・ハンマーに交換され、各種セイフティは確実な動作を目的としてロング化された。

これらを組み上げた完成品を渡したら、トニーはどんな顔をするだろう。たぶんあの少年のような無邪気な表情で、まず驚くに違いない。
…いや、完全に自分のものにさせる為にも、最後の組み立てはトニー自身にさせた方がいいね。

あの子はそろそろ大人になる。今はまだ暴れん坊のひよっ子に過ぎないが、近いうちにきっと、自覚のある立派な大人になるだろう。
私はそれを見守っていたい。あの子の為に生み出した、この二丁の銃と共に。

ニールは作業の手を止めて、卓上に立ててある写真に視線を移した。
大きな犬と共にこちらに微笑む栗色の髪の少年。写真には拙い字でこう書いてある。―マミィ、大好きだよ。

20年前に失ってしまったあの子と、トニーはどこかよく似ている。だからこそ、今度こそ、守ってあげたい。
ニールは再び机の上のパーツに意識を戻すと、作業を再開した。

▼ベース:東京マルイ社製ハイキャパ5.1ガバメントモデル

実銃モチーフはおそらくSTI(Science Technolgy Ingenuity)社製のガバメントモデル。世界スピード射撃選手権者のチップ・マコーミックと共同開発したコンバットシューティング・ガンで、スティール製レシーバーとポリマー製グリップを一体化させ、軽量化と高強度性を合わせ持つ多弾倉フレームを搭載した「現代的戦闘銃」です。
このハイキャパ5.1を、性能・品質共に信頼性抜群の東京マルイがモデルアップ。ベーシックで依然として多くの人に好まれるガバメントスタイルをベースに現代的な実戦機能を取り入れています。同シリーズの4.3と比べると、このスタイルはどちらかといえばシューティング競技用っぽいです。ともかく各パーツが確実かつ正確に動作するようセッティングされており、ブローバックの感触は丁度良い重さを伴ったキレのある鋭いリコイル感覚。基本の命中精度もかなり良く、また各社から更に精度を上げるカスタムパーツが多数販売されているのも嬉しいポイントです。

全長:222㎜ 重量:894g 装弾数:31+1発

No17 ハイキャパ 5.1 (18歳以上ガスブローバックガン)

我が盟友「武器工房ギルガメッシュ」様では、ダンテのもう一つの愛用武器「リベリオン」を見事に立体再現されています。
非金属モデルで、ドクロを模した柄、シャープで迫力満点の刃、あのスタイリッシュな大剣を全て手作り(!)で製作!!
HPでは各部写真や詳細を公開、製作依頼も受付けされてます。
他にもコミック・アニメ・ゲームの刀剣類レプリカを再現されてるので、武器スキーな方はぜひ↓リンクバナーからGo!
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